「より多くの森林が、より多くの電力をもたらす:Belo Monteダムに関する実現可能性の分析」

Shares
0

Most popular

80% de la electricidad que se consume en Brasil procede de hidroeléctricas.  David Holt

80% de la electricidad que se consume en Brasil procede de hidroeléctricas. David Holt

ダム建設や洪水が人々や環境にどのように影響するか、熱帯諸国にある水力発電プラントについて数多く議論されている。その一方、森林はダムに対してどのように影響するか?アメリカとブラジルの科学者チームはつい先日、森林と水力発電の関係についてユニークな見解をthe Proceedings of the National Academy of Sciencesで発表した。

Stickler et al.は、ブラジルのアマゾン流域シング―(Xingu)川にあり、議論の的となっているBelo Monte水力発電施設に注目した。2015年に完成を予定するBelo Monteは、世界で3番目に大きいダムとなる。そのダム建設は水域生態系や地域住民(注目される先住民を含む)への損害が予想され、また経済的な実用性にも疑念が抱かれ、地域や国家また国際的な抗議運動の対象となっている。激しい議論にもかかわらず、ブラジル政府は当該プロジェクトを推進している;それは大きな河川を有して電気エネルギー消費量の80%を水力発電で賄うこの国にとって、水量発電はあまりにも魅力的すぎるためである。Belo Monteはブラジルで伸びるエネルギー需要に対し、2019年までにその40%を単体で供給すると見込んでいる。しかし、森林やそれに由来する降水を考慮した場合、これらエネルギー生産の見通しはどのようになるだろうか。

この研究においてStickler et al.は、Belo Monteでのエネルギー生産に起こり得るシナリオを作成する目的で、アマゾンの森林被覆に関連させて、局部的(local)及び地域的(regional)規模の植生や水文、また気候モデルを取りまとめた。この研究の新規性は、森林が作物地や牧草地に変換された際の蒸発散量の減少という直接的な影響に加え、河川流に及ぼす森林減少の影響という潜在的かつ二次的な影響(つまり降水の地域的な減少)を分析に盛り込んだ点である。これら二次的な影響を含めた分析でなければ、シング―川流域に想定される将来の森林減少(Business As Usualに基づくシナリオで2050年までに40%減少)によって河川流量及びエネルギー発電量が10%増加するという、以前のアマゾン研究(Costa et al. 2003, Coe et al. 2009)や森林伐採と河川流の関係を示した従来の見解(Calder 2005)を支持する研究成果は得られなかったと考えられる。将来、アマゾンの広範囲な森林減少は降水量を低下させ、シング―川流域の降水量低下は地域の蒸発散量を減少させる。アマゾン流域の降水に及ぼす森林被覆の影響を考慮した場合、最終的には河川流量及びエネルギー生産量が30-36%減少すると予測され、エネルギー生産の予測が逆転する可能性が示された。つまり、立木群落は水力発電のポテンシャルを確保し、特に降水の季節性がある場所でその影響は大きい。

La construcción del complejo hidroeléctrico de Belo Monte ha sido objeto de protestas locales, nacionales e internacionales, especialmente debido al perjuicio que se prevé para los ecosistemas acuáticos y la población local. Atossa Soltani/Amazon Watch/Spectral Q.

La construcción del complejo hidroeléctrico de Belo Monte ha sido objeto de protestas locales, nacionales e internacionales, especialmente debido al perjuicio que se prevé para los ecosistemas acuáticos y la población local. Atossa Soltani/Amazon Watch/Spectral Q.

これらの研究成果は、政策立案者や水力発電事業者にとって重要となる。Stickler et al.はBAUに基づく森林減少シナリオの下では、Belo Monteは生産するエネルギー目標の3分の1にしか達しない恐れがあると結論付けた。ブラジルは広範囲に及ぶアマゾンの森林減少を抑制し続けるだけで、Belo Monteが見込むエネルギー生産量を実現できるかもしれない。また著者らも認める様に、温室効果ガス排出の気候変動により将来アマゾンでの干ばつや長期の乾季が予想されるが、本研究ではこれら追加的な影響は考慮されていない。エネルギー事業者はこの情報によって森林保護を支持する側となり替わるだろうか?

電気エネルギーのニーズにおいて水力発電の占める割合が拡大する中、多くの熱帯諸国は水力発電に数十億ドルを投資している。これは熱帯諸国が共通に抱える最重要の開発課題となっており、本稿はタイムリーな報告と位置づけられる。エネルギー利益は当初よりも小さくなると予想される事から、信頼あるエネルギー源としてBelo Monteや他プロジェクトの実用性を検証するためには、地域社会に対して既に投入された多大なコストを含めて調査する必要があると著者らは結論付けている。ダム建設に関わる社会及び環境へのコストを最小化する方策は取り続けながら、森林に依存した水力発電についても考えていかなければならない。ブラジルは2005年以来アマゾンの森林減少を低下させ、その国際的な認知度を高めてきた。本稿は説得力のある証拠を提供しながら、これら森林減少の低下に依存した水力発電によって国家のエネルギー安全保障が望める事を示している。

 

参考文献

Calder IR. 2005. The Blue Revolution: Land use and integrated water resources management. 2nd ed. London: Earthscan.

Coe MT, Costa MH, and Soares-Filho BS. 2009. The influence of historical and potential future deforestation on the stream flow of the Amazon River – land surface processes and atmospheric feedbacks. Journal of Hydrology (Amst) 369:165–174.

Costa MH, Botta A, and Cardille JA. 2003. Effects of large-scale changes in land cover on the discharge of the Tocantins River, southeastern Amazonia. Journal of Hydrology (Amst) 283:206–217.

Stickler CM, Coe MT, Costa MH, Nepstad DC, McGrath DG, Dias LCP, Rodrigues HO, and Soares-Filho BS. 2013. Dependence of hydropower energy generation on forests in the Amazon Basin at local and regional scales. Proceedings of the National Academy of Sciences, www.pnas.org/cgi/doi/10.1073/pnas.1215331110

(Visited 176 times, 1 visits today)
Most popular