木材は認証されるかもしれない。しかし、それは持続可能なものなのか?

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Manuel Guariguata 著

もう20年近くも前、持続可能な森林管理を促進するための新しいツールとして、独立した認証という考え方が、多くの人に知られるようになった。これはもともと、各国政府や一連の国際的な会合が森林消失や森林劣化を食い止めることに長期にわたって失敗してきたことへの対応として、様々な民間セクターにより別々に考案され、推進されてきたものである。そこでは、一定の技術的、環境的、社会的な問題をカバーした一連の基準を満たした、「認証を受けた森林」からの木材やその他の林産物が、差別的な市場(preferential markets)や価格プレミアムへのアクセスを獲得する、ということが見込まれていた。そしてその結果、長年にわたり森林が提供してきた、ローカルな、また、グローバルな便益を維持することが期待されていた。しかし、森林の豊かなカメルーンでCIFORの科学者、Paolo Cerutti らが行った研究によると、認証制度がきちんと導入された場所でさえ高級材を長期にわたって(つまり持続的に)生産する森林の能力は損なわれ得る、という。

さてでは、森林認証にはどのような人が関わっているのか?そこには主要なアクターが三つ存在する。一つ目は、(認証の)基準を決定し、認証審査者を認定する人たちである。森林管理協議会(FSC)は、全世界的にそうした役割を担っているユニークな存在である。1993年以来、世界のさまざまな地域における、140万ヘクタールほどの森林が、FSC認証を受けている。カメルーン一国でも、現在80万ヘクタール近い森がFSCの認証を受けている。二つ目のアクターは、典型的には、コンセッション保持者もしくは木材生産地の所有者など、認証基準を満たすことで認証を要求する個々の森林管理者である。そして三つ目は、森林管理者の行いが、認証基準に従ったものであるかどうかを評価する独立した認証機関である。

Ceruttiとその同僚たちの研究は、国の森林管理基準を超えて熱帯林の管理の在り方を改善するFSC認証の持つ可能性を見出す一方、伐採企業と認証機関とでは、FSC基準の順守やそれに対する解釈の方法が異なっていることを明らかにしている。その結果、認証を受けたカメルーンの10の森のうち、将来にわたり現在と同程度の割合で木材を収穫しうる技術により最高級材の伐出・輸出を行っているのは、わずかに3つの森だけである。Ceruttiらによると、こうした問題の一部をなしているのは、異なった認証機関が、異なった基準を用いているということである。つまり、あるものは、国の基準に依拠し、他方、あるものはそれより厳しいFSC基準に従いながら、どちらにも同じFSCの認証マークが与えられる、といった問題である。

弱い基準を適用しFSC認証を受けた「フリーライダー」が増殖することを防ぐために、また、認証機関の主観的判断(による弊害)を最小限にするために、Ceruttiらは、カメルーンが統一的で科学を基盤とした基準を開発することを勧めている。そのことによって、木材の長期にわたる持続可能な供給を促進するため、FSC基準に従っているかどうかを評価する認証機関の統一的な活動を保証することができるのである。FSCはそのグローバルな持続可能性の基準を特定の国の森林の特徴に適合させることを容認しているので、カメルーンがそうすることは可能であるし、実際それが必要とされている。

Ceruttiらが見出したことはカメルーンだけに言えることではない。ブラジルのアマゾンでは、FSC認証プロセスにおいて認証機関が、必ずしも常に同程度の精密な調査を伐採企業に対して行っていないと、Mark Schulzeらが数年前に結論づけている。大西洋のどちらの側においても、心にとどめておくべき重要な点は、FSCラベルの付与に際して伐採企業と認証機関に平等な機会が与えられなければ、認証を受けた森林に由来する高級材の供給量は、将来、維持されないであろう、ということである。いずれにしても、カメルーンにおけるこの新しい研究は、現在、その30パーセントが木材伐採コンセッションの発給対象地とされているコンゴ流域において、FSC森林認証の効果を評価した初めての研究である。

熱帯地域の研究者、政策決定者、そして森林管理者が森林認証がもたらすとされる便益が実際にはどうなのか、と考える際、Ceruttiらの研究は我々に、FSC基準の客観的な評価が必要であることを思い起こさせてくれる。別の言い方をすれば、認証を受けた企業と、そうでない企業とは区別できるが、今日のFSC認証は、認証を受けた木材が持続的に収穫され、将来の収穫とその森が明日も維持されるであろうということを必ずしも意味しない、ということである。

[日本語訳:笹岡正俊(CIFOR) m.sasaoka@cgiar.org ]

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Further reading

Forest Policy and Economics に発表されたCerutti らの論文はこちらを参照。 Oryx に発表された Schulze らの論文はこちらを参照。

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